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 コメは世界の人口の半分が主食としている穀物であり、アジアやアフリカを中心に様々な国で栽培されています。しかし、コメへの高い依存は「隠れた飢餓(Hidden Hunger)」という問題を引き起こしています。開発途上国では、カロリーの大部分をコメが占めており、微量栄養素の欠乏が広がっています。現在、約20億人が隠れた飢餓に苦しんでおり、これは飢餓人口の約8.5億人をも上回っています。

 

 この問題の解決策として、サプリメントの配布や栄養強化食品の開発などが行われていますが、継続的な資金や消費者の購買力の問題から、完全な解決は難しい状況です。

 

 さらに、コメへの依存は毒性元素による健康被害も引き起こしています。特にヒ素中毒は深刻な問題となっており、世界中で広がっています。ヒ素汚染地域では、4000万人もの人々が汚染された水を摂取しており、健康被害が懸念されています。現在の栽培方法ではヒ素の除去が困難であり、育種による耐性品種の開発も進んでいません。

 

 このような課題に立ち向かうため、日本の研究者とバングラデシュの研究者が協力し、微量必須元素や毒性元素のコメへの蓄積に関する研究を行っています。新たな技術の開発と普及を通じて、持続的な問題解決を目指しています。

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